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【中学受験】過去問演習の開始時期

受験で一番気にしておかないといけないのは、時間です。

というのも、受験での出題範囲はとても広く、ある程度量をこなす必要があるからです。

つまり、一定の時間は確保しておく必要があります。

時間が限られてしまう場合、もしくは時間管理がうまくいかない場合は、受験直前期(受験の半年前〜受験直前期・本番)まで、相当、苦戦を強いられることになります。

しかし、なぜか、過去問を解くために必要な時間というのが意識されていない事が多いように思われます。

中学受験において、志望校の過去問演習が合否を分けるといっても過言ではありません。

なぜなら、

中学受験は学校毎に、出題される問題が全く違います。

出題者の聞きたいことも、質問の仕方、答え方に至るまで、千差万別です。

偏差値上では、似ているレベルの学校であっても、問題文・質問のされ方も含め、多くの場合、異なっています。

その為、志望校突破のためには、基礎知識をある程度習得できた段階から、志望校に合わせた訓練が必要になります。

特に、難関校は、高度な思考力を要求する問題を、本番で解く事が多くなっています。

従って、本番までに、学校の要求するレベルでの思考力を要請できているかが合否の分かれ道になります。

本番のわずかな時間で、高度な思考力を、わずか12歳前後の小学生のお子さんが発揮するのは至難の技です。

また、難関校では年々、高い思考力を要求する問題を解く事が求めらる傾向にあります。

ある程度、基礎知識がついた段階で、自分が目指すべき目標はどこなのかを把握する必要があります。

そのためには、出題者の意図を直接知ることのできる過去問に早い段階から触れておくことは必須になります。

例えば、算数でいえば、

①ある程度早い段階で基礎知識を習得すること

②基礎知識の習得が終わった段階で、思考力強化の練習に移行すること

が少なくとも必要です。

(本当は、①の段階から同時並行で行いたいところです。)

しかし、ご相談を受けるケースでは、適切な時期までに

②が全くできていないケースが殆どです。

ご相談いただく場合の多くのお子様はが、塾等に通われている事が多い印象ですが、思考力強化の練習は、ご相談いただく場合、殆どできていない、もしくは実体を伴わない名ばかり演習で時間を無駄にしてしまっている状態になってしまっています。

(ただ、大衆向けの授業では思考力強化の授業はほぼ実施されていない事が多い、教える事ができる講師が非常に少ないのが現状ですので、致し方ない部分もあるのかとは思います。)

そのため、②の思考力強化の勉強に受験の時間を殆どさく事ができないまま、受験に突入してしまっています。

②の思考力強化に移行するのが遅れる原因として、過去問の開始時期が遅いことも大きな原因として挙げられます。

昨今、保護者の方や生徒さんのお話をお伺いしていると、過去問を開く時期をかなり遅めに設定している塾等がかなり散見されます。

それをそのまま鵜呑みにして、過去問を見ないで、受験の直前期(しかも「超」直前期)に突入してしまっています。

もちろん、基礎知識が全く習得できていない段階であれば、いきなり過去問を解いても、わからないことが多過ぎて、あまり得るものはないでしょう。

しかし、基礎知識を習得できた段階からは、過去問を積極的に活用していくべきです。

というのも、過去問こそ、志望校の先生が本番でどういうことを聞きたいのかを知ることができる唯一のツールだからです。

その過去問を勉強せずに、もしくはじっくり時間をかけずに時間を費やすというのは、入試までのタイムマネジメントとしては失敗と言わざるを得ません。

まして、一発勝負である事が多い入試において、このような失敗は致命傷になってしまいます。

にもかかわらず、なぜか、非常に遅い時期から過去問を解くように指導するケースが散見されます。

小学校6年生のご家族様から相談を受けるケースで、最近目立つのが、このケースです。

ご家族様でさえ遅いのではないか?と思う時期まで、過去問を見ないようにと、塾等で指導が入ったとご相談いただきます。

塾等の側からの見解では、おそらく、しっかり基礎知識を固めた上で、いろんな問題演習もこなして、万全の状態で、志望校の問題を解いてほしいというものなのかもしれません。

確かに一理ありますし、理想的ではあります。

しかし、入試の準備がそんなに順調に進むでしょうか?

というのも、難関校の入試問題は、近年、非常に難しくなっています。

難関校や最難関と言われるレベルの入試問題は、受験生から見ても、自分で想定していた以上に難しい問題が殆どです。

基礎知識を2つ、3つ、場合によってはそれ以上組み合わせて考えないといけない問題や、今まで聞かれたことのない聞き方をしている問題、お子様にとってはそもそも何を答えればいいのかわからない問題が並びます。

そのため、過去問演習では、

・自分の想定以上に時間がかかる(しかも大幅に)
・解説を読んでもわからない

という事象が多く発生します。

ご相談いただくケースでは、言われた通り、遅くから初めたものの、このような事象に遭遇し、どうしていいかわからないというものが多いです。

塾等でのスケジュールは、あくまでそのスケジュールについてくることのできる生徒さん向けであって、全員に共通するわけではありません。

また、個人的にも、たいていの方は過去問開始時期がその時期では間に合わないだろうというのが、(個人的な見解で恐縮ですが)体感であります。

しかし、実際にこのようなケースがかなり多発しています。

ただ、実際問題として、ご相談をいただいた段階では小6秋口以降など、かなり残された時間が少ないという現実はどうしようもなく存在します。

というのも、

思考力強化の練習はある程度、時間がかかるからです。

・出題者が聞いていることを正確に理解する練習

・その質問に答えるために、どのように考えていくのか

・自分の考えた解答をどのように相手に伝えていくのか

また、難関校の問題は1題1題が非常に難しく、1題を解くにも非常に時間を費やします。

時間がないというのは致命傷です。

事実、小6は夏以降は時間がただでさえない上に、精神的にもしんどくなっていく時期です。

ご本人様以上にご家族様も落ち着きがなくなり、落ち着いた精神状態で問題と真っ向から向き合える事が少なくなっていく時期でもあります。

そんな時に、さらに過去問が解けない、しかも残された時間が少ないという追い討ちをかけられた場合、果たして、目の前の問題、それも自分で解くのもとても大変な問題に向き合えるものでしょうか?

たいていの場合、一人でなんとかしようとして、袋小路に入っていくことになります。

もちろん、時間がいたずらに過ぎていき、難関校の合格は遠のいていきます。

実際、上記のご相談をいただいたケースでも、

本当に受験直前11月からかなりの頻度でご一緒したケースでは、ご本人様のがんばりもあり、難関校に逆転で合格されていました。

それまでは、志望校に合わせた思考力強化の練習はされていな方ように思います。

在籍された塾でも、トップクラスの教室に所属し、志望校特訓のコースに所属されていましたが、問題を解いて、解説を聞いて終わりということで、結局のところ、思考力強化の勉強はできていないに等しい状態でした。

お話をお伺いしたところ、過去問演習も塾からしないようにと言われ、さすがにご家族様も過去問を解く時期が遅すぎるのではということで、自分で過去問を解いたところ、過去問が全く解けず惨敗だったそうです。

過去問は非常に難解なため、トップクラスの生徒さんでもこのような事象が起こります。

それは、入試問題は、公開テスト等で聞かれている問題とは全く異なり、非常に高度な思考力を問われるため、その準備をしていないと、はっきり申し上げて全く歯が立ちません。

上記の方は、ご本人様もその後、非常に頑張られた上、その後、思考力強化の練習をご一緒する機会も非常に多くとっていただいたため、なんとか入試に間に合い、学校側の求める思考力レベルに達する事ができたケースでした。

しかし、そのようなケースを想定して準備するのはかなり危険だと思います。

塾のトップクラスの成績のお子様でさえ、思考力が強化できていない場合、入試問題に歯が立たない状態が起こり得ます。

失礼を百も承知の上で、あえて申し上げますと、それ以外の生徒さんであれば、合格のためには、なおさらに用意周到に準備しておく必要があります。

特に、年々、人気の学校さんでは、思考力がかなり要求されるようになっています。

かなり早い段階から、じっくり時間をかけて思考力を伸ばす必要があります。

そして、その思考力レベルがどこまで要求されるのか、どんなことを出題者が聞いてくるのかを知るためにも過去問を解くことは非常に大切です。

ちなみに

難関校も過去問は非常に難しく、ただ解いて○×をつけて、なんとなく解説を読むだけでは全く、過去問演習をしたことにはなりません。

(そもそもそのような解き方をしている段階で、おそらく点数が伸びません。また、そのような解き方を繰り返しても時間の浪費となってしまいますので注意してください。)

過去問の出題者の意図をしっかり理解しながら、何が必要なのか、演習してこそ意味がありますし、点数が伸びます。

過去問演習の時期、思考力強化の勉強も含め、大きな視点で検討していかれることをおすすめします。

当会の講師陣は、思考力強化を指導できる全国的にも少ない講師陣です。

もし、自力での思考力強化が難しい場合は、ご連絡いただければと思います。

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